2007.4.24付け 日本経済新聞より
●見える化には、「現場で起きていることの見える化」と「企業経営全体の見える化」の2つの側面がある。ITの進化は現場情報の伝達に大きなインパクトをもたらしているが、収集された膨大な情報を整理して、分析、活用出来なければ、全体が見えなくなってしまう危険性も高い。今回は、見える化を支援する様々なソリューションについて見ていく。ソリューションについては、現場で起きていることの見える化を軸とした「業務遂行を支援するソリューション」と企業経営全体の見える化を軸にした「情報の整理・分析、表示・加工を行うソリューション」の大きく2つに分けることができる。
業務遂行支援(詳細省略)
①部門ごとにバラバラに構築されていたシステムを統合し、経営情報の一元化を実現する統合基幹業務システムパッケージ(ERP)
②顧客への営業やサポートなどの活動を支援し、顧客を見える化する顧客情報管理(CRM)
③製造業で取引先とのやり取りや製品開発をサポートし、問題を見える化するプロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLM)
④業務プロセスを連携させ、企業活動の実態を見える化するビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)
⑤プロジェクト型業務を支援し、状況を見える化するプロジェクトマネジメント製品
⑥現場の改善事例を他の現場で学ぶなど知恵を見える化するeラーニング製品
意思決定支援(詳細省略)
①暗黙知(知恵)を見える化して形式知に変えるナレッジマネジメント
②企業内の情報を検索して必要な情報を集めて提示する企業内検索システム
③大量の情報を分析し、活用するためにデータを加工、見える化するビジネスインテリジェンス(BI)
④経営情報など欲しい情報をパソコンのポータルで自動的に更新、常時表示し、経営を見える化するマネジメントダッシュボード、などを挙げることができる。
このように、現場の見える化と企業経営全体の見える化は、ITなしには実現することはできない。そして、それは企業活動全体を包括する形になるため、全社レベルの強固なITインフラの存在が欠かせない。見える化による機敏な経営戦略をとることは、競争力向上の源泉となる。中小企業には、レベルの高い話しかもしれませんが、システム構築の方向性として大いに参考になる内容だと思います。