2008年12月24日付 日本経済新聞広告より

●本日の日経新聞の広告に激動の時代を勝ち抜く経営戦略と題して、これからのITの流れが掲載されていました。企業経営は、百年に一度ともいわれる激動期に直面し、この難局を乗り切り持続的な成長を維持しつづけるには、ITの果たす役割は極めて大きいことが述べられ最新のトレンドが紹介されている。主な中身は、①クラウドコンピューティング②エンタープライズ・リスク・マネジメント(ERM)統合基幹業務システム(ERP)パッケージの活用③ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)④モバイルコンピューティング⑤情報セキュリティーなどが揚げられている。とりわけ中小零細企業にも今後①と③及び⑤は、活用すべきトレンドではないだろうか?

クラウドコンピューティングとは?インターネットを中心にとしたネットワークをイメージしている。ネットワークの向こう側にあるデータセンターに集約されたコンピュータ資源を、必要に応じて利用する。ユーザーは、コンピュータ資源の調達や運用に関する手間とコストから開放され、ネット経由で必要な機能を利用できる。大きく、1:業務アプリケーション、2:認証や課金システム、開発環境などの共通基盤、3:インフラのサービスからなるプラットフォームを提供する。業務アプリのSaaS(サース)や共通基盤PaaS(パース)インフラのHaaS(ハース)とも呼ばれている。

BPOとは?企業が全業務を自社で行おうとすると高コスト体質になり、スピードも失い、競争力を喪失する。そのため、差別化の源泉であるコア業務にフォーカスし、それ以外の業務は外部委託(アウトソーシング)の必要が出てくる。その為の役割を果たすのが、外部の専門的知識や高度なノウハウを活用するBPOである。対象は総務・経理・人事業務における非コア業務を中心に幅広い業務へと広がっている。上場企業のうち約40%が利用されており、今後中小企業でも利用が増えると予想される。今後競争力強化の為のBPOに注目したい。

今後も中小企業に役立つITに関する情報を提供します。
先日、J-SaaS(サース)普及のインストラクタ研修なるものに参加しました。

そこである程度の概要なるものが、見えてきました。経済産業省が主体となりインフラ設備の構築を行い中小企業向けサービス行うSaaSも開発段階がほぼ終わりこれから様々な形でPR活動がなされ2009年4月よりサービスが開始される模様です。

インターネットを通じてサービスを提供するJ−SaaS上では、マルチテナント型のポータルサイトを通して財務会計、給与計算、税務申告など様々なサービスが多額の初期投資を必要とせずに活用できる為、中小零細(従業員20名以下)の企業様でも経営にITを容易に活用できる環境が整います。業務プロセスの中にひとつのツールとして活用し、またバックオフィス的な業務は、外部のアウトソーシングをうまく利用する時代が始まることを予感します。

2008.2.21

2.20日本経済新聞夕刊より 

●中小企業の方にとってITでどのような事が出来るかの例が掲載されていましたので

そのご紹介です。

①財務・会計・給与システム

古くから導入のメリットが叫ばれている割に、中堅・中小企業の多くが生かし切れていないのが財務・会計・給与システムです。IT機器が単なる伝票印刷機になっているというのは、その典型例。

しかし、これを上手に使いこなせば、日々の経営状況が把握でき、会社の問題点が見えてきます。これで、素早い意思決定が可能になるわけです。また、この財務・会計・給与システムと生産・在庫・販売管理システムと合体しデータを一元管理すれば、業務全体を見渡せます。

②生産・在庫・販売管理システム

資材調達から生産管理、在庫管理、製品配送までをコンピューターで一元管理し、過剰な在庫を一掃、工期を短縮し、製造コストを引き下げます。また、取引先企業とシステムを連動させたSCMなら、在庫削減や工期短縮へのより高い効果が期待できます。

③顧客管理・マーケティング

顧客情報をデータベース化することで、年齢・性別・職業・居住地域ごとに、何が求められているかをつかみ、商品やサービスの開発に利用します。また、顧客一人ひとりの興味や性格などに合わせた、きめの細かい商品やサービスを提供していくことができます。

④情報共有

例えば、システムで管理している生産や在庫状況を、営業担当者も知っていれば、顧客に対しても納期などの情報を的確に答えられます。製造や営業のノウハウ、顧客情報を社員間で共有すれば、業務の効率化につながります。

⑤ウェブでの直接販売

インターネット上でエンドユーザーに直接、商品を販売します。

等々

御社に当てはまる項目は、ありませんか・・・

2008.1.24

●1.23付け日経新聞夕刊より

経済産業省が小規模企業の財務会計やオンライン申告などの支援のポータルサイトを開設する。そんな話しを最近、小耳に挟みました。

現在、経済産業省を中心に、中小企業のIT活用のためのサービス構築を検討しているというのです。これを利用すれば、財務ソフトへ入力したデータを使って、オンラインによる税の申告や社会保険の申請なども出来てしまいそうです。運用は早ければ2009年1月を予定との事。

小規模企業が、インターネットを使って、財務会計や給与計算、公的な手続きなどを簡単に行える。現在、そんなシステムを経産省、厚生労働省、法務省、社会保険庁、国税庁の5省庁で検討中。同システムでは、インターネット上のポータルサイトからアプリケーションソフトを利用するSaaS(サービス型ソフトウェア)によって、財務会計や給与計算などの処理が行える。利用者は、パスワードとIDを入力し、サイトに入り、日々の売上や経費などを打ち込めば、財務会計から給与計算までを一貫して処理できるのだ。さらに、それらのデータから法人税や、従業員の所得税などを算出し、税の申告書や社会保険の申請書などを作成。オンラインによって各省庁への申請手続きを自動的に行う事が出来る。同システムの使用料だが、一般の財務会計ソフトの1/2〜3程度になる見込みであり、コスト面でIT導入を見合わせていた小規模企業には朗報といえる。ネット環境が整った現在、今後経産省SaaSサービスの動向に注目したい!

●日経新聞より

「IT導入はやり尽くした。もうやることなんかないよ」こうおっしゃる社長、案外多いのです。

もう一度、客観的にITの利活用の度合いを検証することをお勧めします。

第1ステージ:「IT不良資産化企業群」せっかく導入したITが活用されていない企業。 導入目的が明確でないケースが多い。

第2ステージ:「部門内最適化企業群」会計や生産管理といった特定の業務でのみ、ITが最適化 されている。企業の7割が該当すると言われています。

第3ステージ:「組織全体最適化企業群」企業全体でITを最適化している企業。各部門を横断した 利活用が行われている。

第4ステージ:「企業・産業横断的企業群」自社全体の最適化にとどまらず、顧客や取引先を含め た企業横断的なIT活用を行う理想的状況です。

今一度ワンランク上のIT経営を目指しては如何でしょうか?

●2007.10.24付けの日本経済新聞夕刊より

日経新聞の夕刊にIT経営についての記事がありましたので、今後の経営の参考にされては如何でしょうか?

長年の経験と勘だけで勝負する。世間にはこういった企業がまだまだ数多く存在しています。

例えば、見積もりも、社長の経験と勘でエイヤーとばかりに決めてしまう。もちろん、それでうまくいっているのなら、構わないのですが・・・。「仕事が多くて何より」なんて言っていたのが、気が付いてみると採算割れ。そんな結果を招きかねません。

経験や勘もビジネスに欠かせない要素ですが、まずは工程管理や原価管理に基づく緻密な積算が見積もりには必要です。ITを使えば、これが比較的簡単に行えます。

経験に頼っての失敗と言えば、この道30年、業界を知り尽しているはずのプロが、新規参入業者にあっけなく負けてしまった話しを最近、聞きました。こちらも、その影にはITが潜んでいます。新規参入業者でも巧にITを使えば、業界の常識を覆すことが出来るのです。どうでしょう。ITの恐ろしさが分かっていただけたでしょうか。

でも、社長が悲観することはありません。ITは何も新規参入業者だけの武器ではないのです。そしてIT利活用は、それほど難しいことではないのです。社長には幸い、業界のプロとしての経験がある。そこにITの威力を加えれば、新規参入業者などものの数ではないはずです。ITのご活用を、是非ともお勧めいたします。

以下のサイトに平成18年度の経営百選の企業がありますので、参考にされては如何でしょうか?

IT経営百選

BSCの構築に際し、まず取り組まなければ仕事は、プロジェクト・チームの編成である。チーム構成メンバー

①社長ないし社長級の人

②プロジェクト・リーダー

③サブ・リーダー

④各部門の代表者 開発・設計・生産・営業・業務・経理・総務・情報システム・他

⑤外部コンサルタント等

社長:最高責任者で重要なプロジェクトである印象づけの出来る人
プロジェクトリーダー:実行部隊のリーダー
サブ・リーダー:リーダーの片腕・BSCに最も精通した人
各部門代表者:プロジェクトと各部門(現場)とのパイプ役

7ステップ

①ビジョンと戦略の策定

②ビジョンと戦略を実現する視点の洗い出し

③戦略マップの作成と戦略目標の設定

④重要成功要因の洗い出し

⑤業績評価指標の設定

⑥ターゲット(数値目標)の設定

⑦戦略プログラムないしアクションプランの作成

次回は、各ステップの詳細を見ていくことにする。

出典:バランス・スコアカード構築 吉川武男

4つの視点に支えられたバランス・スコアカード

バランス・スコアカードの基本モデルは、企業経営や行政が掲げるビジョンと戦略を明確にする。さらに、掲げたビジョンと戦略を経営トップから従業員1人ひとりに至るまで周知徹底させ、確実に成就するために、4つの視点を設けている。

① 財務の視点
② 顧客の視点
③ 業務プロセスの視点
④ 人材と変革の視点

財務の視点
企業が従業員や株主をはじめとするステークホルダーから何を期待されているかを考え、こうした期待に応え、掲げたビジョンと戦略を確実に実現するために、企業がステークホルダーに何をなすべきかを考え、具体的行動の指針を明確にすることである。

顧客の視点
お客様が企業に対し何を期待しているか、お客様の立場に立って考え、企業が充分な利益を維持ないし確保し、財務的目標を実現するために、お客様の立場から企業が何を為すべきか、明確にすることである。

業務プロセスの視点
企業が財務的目標の実現や顧客満足度の向上を図るために、競合他社よりも如何に秀でた業務プロセスを備えていなければならないかを考え、具体的対策を明らかにする。

人材と変革の視点
企業が競争優位を確保するためには、社員1人ひとりのパワーアップをはかり、学習能力を高めるために、能力開発や人材育成が必要不可欠である。長期的視点に立って確実に実現すべく、視点を設けている。

バランス・スコアカードは、ビジョンと戦略を各視点の因果関係で明確にし、実現するためのシナリオを画くことができる。

バランス・スコアカードの各視点を構成する5項目

① 戦略目標
② 重要成功要因
③ 業績評価指標
④ ターゲット(数値目標)
⑤ 戦略プログラムないしアクション・プラン

戦略目標
ビジョンと戦略を成就しなければならない各視点の基本目標である

重要成功要因
各視点の戦略目標を達成するために様々なパフォーマンス・ドライバー(業績向上要因)をあげることができるが、そのうち最も重要なパフォーマンス・ドライバー(業績向上要因)である

業績評価指標
設定した重要成功要因に対応して設け、とったアクションの成果とプロセスを継続的に測定・評価するための指標である

ターゲット(数値目標)
業績評価指標で測定するアクションないし行動の具体的数値目標である

戦略プログラムないしアクション・プラン
構築したバランス・スコアカードを組織の全員に周知徹底させ、戦略目標やターゲットを達成するための具体的対策ないし実行プランである。

基本モデルで重要なことは、各視点とこの5項目の間の垂直的因果関係と水平的因果関係が大切であり、戦略マップの作成が不可欠である。

以上がバランス・スコアカードの基本モデルである。次回は、構築のプロジェクトチームの編成と7つのステップを考えたい。

出典:バランス・スコアカード構築 吉川武男

2007.4.24付け 日本経済新聞より

●見える化には、「現場で起きていることの見える化」と「企業経営全体の見える化」の2つの側面がある。ITの進化は現場情報の伝達に大きなインパクトをもたらしているが、収集された膨大な情報を整理して、分析、活用出来なければ、全体が見えなくなってしまう危険性も高い。今回は、見える化を支援する様々なソリューションについて見ていく。ソリューションについては、現場で起きていることの見える化を軸とした「業務遂行を支援するソリューション」と企業経営全体の見える化を軸にした「情報の整理・分析、表示・加工を行うソリューション」の大きく2つに分けることができる。

業務遂行支援(詳細省略)

①部門ごとにバラバラに構築されていたシステムを統合し、経営情報の一元化を実現する統合基幹業務システムパッケージ(ERP)
②顧客への営業やサポートなどの活動を支援し、顧客を見える化する顧客情報管理(CRM)
③製造業で取引先とのやり取りや製品開発をサポートし、問題を見える化するプロダクト・ライフサイクル・マネジメント(PLM)
④業務プロセスを連携させ、企業活動の実態を見える化するビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)
⑤プロジェクト型業務を支援し、状況を見える化するプロジェクトマネジメント製品
⑥現場の改善事例を他の現場で学ぶなど知恵を見える化するeラーニング製品

意思決定支援(詳細省略)
①暗黙知(知恵)を見える化して形式知に変えるナレッジマネジメント
②企業内の情報を検索して必要な情報を集めて提示する企業内検索システム
③大量の情報を分析し、活用するためにデータを加工、見える化するビジネスインテリジェンス(BI)
④経営情報など欲しい情報をパソコンのポータルで自動的に更新、常時表示し、経営を見える化するマネジメントダッシュボード、などを挙げることができる。

このように、現場の見える化と企業経営全体の見える化は、ITなしには実現することはできない。そして、それは企業活動全体を包括する形になるため、全社レベルの強固なITインフラの存在が欠かせない。見える化による機敏な経営戦略をとることは、競争力向上の源泉となる。中小企業には、レベルの高い話しかもしれませんが、システム構築の方向性として大いに参考になる内容だと思います。

2007.4.19付け 日本経済新聞より

●見える化・・・企業の業務上の様々な問題が目に飛び込んでくるような仕組みの必要性、自律的・主体的な問題解決能力であり、ITを活用することで、今まで不可能だった見える化が可能である。しかし、最大の問題はITで情報をオープンにし、共有しただけでは見える化は成功しないということだ。組織の中には、見える化の仕組みに積極的に参画する意思を持つ社員と、そうでない社員が存在する。そのギャップを埋めることなしに、見える化は実現しない。そこで、社員が積極的に参画していくような組織のあり方を作り上げるための努力が求められる。見える化の意義を全員で共有した上で悪い情報も含めて共有化するシステムを構築し、タイムリーに対策を打てるシステムにして行く継続的な努力が必要。企業文化改革の努力と使い勝手を向上させるシステム的な対策を通じて、見える化は効果を発揮する。企業の競争力向上に役立てるためには、企業活動全般を支える基盤的な考え方として位置づけることが重要。単にシステム導入だけでなく、人の取り組む姿勢も重要であることがポイントでは、ないでしょうか?

業務に関する情報の公開・共有を打ち出す

データーベースシステム構築

利用率上がらず

問題点を解明

組織的対策とシステム的対策の両方の改善

利用の定着

真の見える化実現

●2007.4.18付けの日経新聞掲載の記事よりIT導入の際、考えておくべき内容がありましたので、一部をお伝えします。

企業の競争力の重要な源泉は現場の力だ。現場の力とは現場で発生する様々な問題を主体的かつ自律的に解決する能力である。ポイントは現場がそうした問題を解決して、乗り越えようとするか否かにある。

どうすれば?→現場の力を高めるのは、現場で発生する様々な問題を解決しようとする当事者意識・現場業務に携わる全員が理解して参加する組織能力・競合に対する優位性を実現しようとする3つの目標設定である。その第一歩が問題そのものを見つける力を持つ必要がある。問題の所在を認識することなしに、その解決はありあない。問題を見えるようにすることで、取り組みがスタートする。

具体的な方法は?→まず現場や組織内で個人が発見した問題点を外に出す。そして、その情報を見えるようにして、現場や組織内、組織間で共有すべきものを整理し、選ぶ。その上で、情報をコミュニケーションできる情報へと加工、問題解決に取り組んで行く。こうしたプロセスを経て、一人の人間が発見した問題点を組織全体で共有、解決することを積み重ね、競争力を高めていくことが可能になる。

問題

個人による発見

組織での共有

可能な情報への加工コミュニケーション

問題解決のための行動

この積み重ね

競争力向上

ITを効果的に活用して、見える化することで、業務の非効率性や品質低下の原因、生産性向上の阻害要因などを明らかにし、必要な対策を講じることが可能となり、この見える化はITなしでは実現できないし、そこにITの重要性がある。

要約すれば以上の内容ですが、経営課題の解決とITの取り組みとして参考にされては、如何でしょうか?

前回は、バランス・スコアカードが生まれた時代背景を中心に述べましたが、今回はその概要についてふれたいと思います。

バランス・スコアカード(以下BSC)は、企業経営におけるナビゲーターの役割を果たし、総力戦企業を成功に導く戦略志向のナビゲーション経営システムである。

企業の将来をしっかりと見据えて、ビジョンと戦略を明確に掲げ、絵に描いた餅にしないよう組織の末端まで浸透させ、トップから従業員1人ひとりに至るまで、全員のチーム・ワークと結束力を強化し、ビジョンと戦略の実現に向けて、果敢に挑戦させるマネジメント・システムである。

BSCは、次の4つの機能を備えている。

①BSCは、PDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)を確実にする

②BSCは、4つの視点(財務・顧客・業務プロセス・人材と変革)で成果とプロセスをモニターする、ナビゲーターの役割を果たす。

③BSCは、ビジョンと戦略を各種の管理プロジェクトと従業員の日々の業務に落とし込み、コミュニケーションをはかる機能を持っている。

④BSCは、5つステップ(戦略の明確化→組織と戦略の一体化→戦略の日常業務への落とし込み→戦略を継続的にプロセスする→トップの指導力)により、マネジメントないしナビゲーション経営にする。

出典:吉川武男 バランス・スコアカード構築より 

私流に言い換えれば、現場に即した実践的な経営マネジメントシステムでは、ないでしょうか?
次回は、その基本的なモデルについて記して見たいと思います。

バランス・スコアカード(BSC)は、1992年にKaplan&Nortonの論文により、米国で誕生した。誕生した理由として企業を取り巻く諸条件として

①供給が需要を上回り、大量生産がものをいう時代が過ぎ、スケール・メリットが必ずしも活かせない時代になった。

②品質と価格だけでは競争優位性を獲得できない。

③部門固有の技術を特化させることではなく、部門を横断し統合化した業務プロセスで、企業経営をしなければならない。

④顧客層が変化し、他の人と一味違ったものを求めるようになっている。

⑤国境は、もはや参入障壁ではなく、グローバル経営が要求されている。

⑥イノベーションが成功の決め手になっている。

⑦将来が必ずしも過去の延長線上にあるとは限らず、将来を予測することが難しい時代である。

これらは、現在の日本企業を取り巻く経済環境に、非常に酷似している。最近の企業に対する評価は、財務データのみならず、非財務データも重要視されるようになっている。

①戦略の実行

②経営に対する信頼性

③戦略の質

④イノベーション

⑤才能のある魅力的人材

これらの非財務データの中で最高の要因は、戦略の実行であると指摘されている。この「戦略の実行」を確実に実現するのが、BSCである。そのメリットとして

①人の心を奮い立たせ、ビジョンを効果的に実現する戦略を立案する。

②企業レベルの戦略目標と各組織レベルの目標を整合させる。

③戦略の優先度を企業のステークホルダーに明確に伝達する。

④経営資源を戦略の優先度に応じて配分する。

⑤戦略の実行を迅速かつ効果的に実現するために、実行結果を測定・評価する。

BSCは、将来が必ずしも過去の延長線上にない時代にあって、問題点の克服と、現在の企業に期待されているニーズに応える目的で開発された、戦略志向のマネジメント・システムである。

出典:吉川武男 バランス・スコアカード構築より

これからの経営ツールとしてのITもBSCの考えに沿った導入が最も重要であると考えます。

次回は、その具体的な内容を記して見たいと思います。

●前回、心構えとして5点ほど述べましたが経営者の方には中々その本質がご理解頂けないケースが見受けられます。最近もITを導入すれば何とかなると言った考えの経営者に何人もお会いしました。そこで基本的な情報化に対する考え方をあえて考えてみたいと思います。

企業のIT活用成功例を聞いて「このままではいけない」とあせり、片や失敗例を聞いて「やっぱりやらなくて良かった」と思われた経験はありませんか?
しかし「このまま何もしなくても本当にいいのだろうか」と言う不安がつきまとい情報化の目的とどうあるべきかが漠然としたままでは決断が難しいと思われます。
私の結論は、IT導入の目的は経営効率の改善や企業の付加価値の向上を行なう事により、お客様に対して他社にない差別化された商品やサービスを提供することを前提に考えお客様にどのような価値を創造できるかを基本とすべきだと考えます。ポイントはお客様です。
確かに、ITそれ自体が変革の要素となりえます。しかし、実際には人・組織・業務などの組合せがうまく連動して初めてITの活用があり、お金儲けにつながるビジネスモデルの構築が実現される。掘り下げれば業務プロセス・社員各自の役割分担・社内ルール・情報システムや社外の取引先・得意先等との関わりまでトータル的に考えた情報化が成果を生み、効果が後で出るのでは?
これらを無視してお金を使いITを導入しただけでは効果が出ないことが予想されます。また重要なのは情報化と同時に経営的に解決すべき課題(業務改善)の2つ同時にプロジェクトなりを立ち上げて取り組む事だと思います。

最終的に自社に取って全社的に最適な業務の状態を構築することが目標になるかと思いますが、情報化について言えば現状の社員のPCスキルや情報リテラシーのレベルを見極めて無理をせずに着実にIT活用を1年目・2年目と段階的にステップアップすることが望ましいと思われます。

●よくシステム化したがその投資と効果が見えないなどと経営者から耳にします。自社の売上規模、社員のITスキルを勘案し、出来る範囲で投資を行い徐々にそのレベルアップを計り情報化をすすめるべきではなかろうか?

●先に述べた顧客満足の為の知りたい情報とは何かを事前に考え、それらを誰がどのようにPDCAサイクルに沿ってあるべき姿の実現を図るか、またそのインプットされる情報の重要性を社員がいかに理解するかが必要であろう。

●基幹業務を始めとする社内LAN・WAN・グループウェアは、かなりの企業で運用されている事と思います。今後情報化を検討する上で「お客様に関する情報がどのような形で蓄積され利活用されているか?」を問いお客様満足を常に把握するしくみを是非とも検討項目のひとつとして考え、強化を計りたいものである。

●どの会社においても販売から代金の回収に至る一連の業務の流れがあります。その業務の流れと現在情報化されている部分の棚卸しや今後自社の強化すべきプロセスあるいは解決すべき課題等を事前に把握する。情報化しなくても改善し改革につながるケースは、多々あります。それらを踏まえてこれからの業務のあり方を検討すべきではないだろうか?

●業務を行うために必要な情報のあり方や蓄積された情報を基に分析し活用する情報リテラシーと言った角度から、事業効率を高めて新たな時代を勝ち抜くビジネスモデル構築の為にITをツールとして導入するなどの目的や姿勢が重要と思います。

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