4つの視点に支えられたバランス・スコアカード

バランス・スコアカードの基本モデルは、企業経営や行政が掲げるビジョンと戦略を明確にする。さらに、掲げたビジョンと戦略を経営トップから従業員1人ひとりに至るまで周知徹底させ、確実に成就するために、4つの視点を設けている。

① 財務の視点
② 顧客の視点
③ 業務プロセスの視点
④ 人材と変革の視点

財務の視点
企業が従業員や株主をはじめとするステークホルダーから何を期待されているかを考え、こうした期待に応え、掲げたビジョンと戦略を確実に実現するために、企業がステークホルダーに何をなすべきかを考え、具体的行動の指針を明確にすることである。

顧客の視点
お客様が企業に対し何を期待しているか、お客様の立場に立って考え、企業が充分な利益を維持ないし確保し、財務的目標を実現するために、お客様の立場から企業が何を為すべきか、明確にすることである。

業務プロセスの視点
企業が財務的目標の実現や顧客満足度の向上を図るために、競合他社よりも如何に秀でた業務プロセスを備えていなければならないかを考え、具体的対策を明らかにする。

人材と変革の視点
企業が競争優位を確保するためには、社員1人ひとりのパワーアップをはかり、学習能力を高めるために、能力開発や人材育成が必要不可欠である。長期的視点に立って確実に実現すべく、視点を設けている。

バランス・スコアカードは、ビジョンと戦略を各視点の因果関係で明確にし、実現するためのシナリオを画くことができる。

バランス・スコアカードの各視点を構成する5項目

① 戦略目標
② 重要成功要因
③ 業績評価指標
④ ターゲット(数値目標)
⑤ 戦略プログラムないしアクション・プラン

戦略目標
ビジョンと戦略を成就しなければならない各視点の基本目標である

重要成功要因
各視点の戦略目標を達成するために様々なパフォーマンス・ドライバー(業績向上要因)をあげることができるが、そのうち最も重要なパフォーマンス・ドライバー(業績向上要因)である

業績評価指標
設定した重要成功要因に対応して設け、とったアクションの成果とプロセスを継続的に測定・評価するための指標である

ターゲット(数値目標)
業績評価指標で測定するアクションないし行動の具体的数値目標である

戦略プログラムないしアクション・プラン
構築したバランス・スコアカードを組織の全員に周知徹底させ、戦略目標やターゲットを達成するための具体的対策ないし実行プランである。

基本モデルで重要なことは、各視点とこの5項目の間の垂直的因果関係と水平的因果関係が大切であり、戦略マップの作成が不可欠である。

以上がバランス・スコアカードの基本モデルである。次回は、構築のプロジェクトチームの編成と7つのステップを考えたい。

出典:バランス・スコアカード構築 吉川武男

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